本日ご紹介するの旧リアルマッコイズ1994年製のB-15Cです。
マリリン・モンローが着用したので有名なのが『B-15C』ですが、そのムートン襟をウールリブに改修したのがこの『B-15C MOD』です。
ちなみに先日紹介した旧リアルマッコイズ1993年製B-15C MODと比べてみましたが、特に変更点は見つけられませんでした。
写真撮ったので一応載っけておきます。
それではスペックの詳細を見ていきましょう。
【The REAL McCOY’S】 ザ・リアルマッコイズ
【The Real McCoy’s】=「正真正銘」「本当の本物」アメリカのボクシングチャンピオンKID.McCoyを同名の選手と区別するために生まれた俗語。
アメリカンミリタリーやワークウェアのアイテムを高度な再現技術で製造。
ヴィンテージアメリカンカジュアルウェアのディテールや素材にこだわり、当時のクオリティを再現することを目指している。
アメリカンミリタリーの歴史やデザインに敬意を払いつつ、本物の雰囲気を再現したフライトジャケット、デニム、ワークパンツなどのアイテムを展開。
ファッション愛好家やコレクターから支持を受け、高品質なアメリカンカジュアルウェアを提供している。
We felt some kind of frustration. That was the beginning. Market is flooded with so many products, and people seems to enjoy abundance. But haven’t we all be blinded by the showiness of those things? Just say “NO!” to them. Now is the time to seek a “Real thing.”
That’s why we have developed this new “Ultimate.” It’s born out of our relentless search for authenticity even without considering the cost. Material is truly authentic. We never compromised in detail. That is the policy we stick to in making any product.
Now why don’t you open the box? We can promise that the minute you open it, you’ll find a new life style. Yes, it’s our pride!
【History】 歴史
1987年、イラストレーターの岡本博が当時の仕事先である雑誌POPEYEの特集において、限定300着のA-2フライトジャケットを制作し販売、予約時点で完売という大反響を受けて翌1988年に会社ザ・リアルマッコイズ・ジャパン (旧リアルマッコイズ)を興す(1990年法人設立)。
設立当時には現フェローズ代表の志村昌洋もスタッフに名を連ねていた。
その後、フライトジャケットの復刻ブランドとして名を上げ、1997年にはジョーマッコイを誕生させ、ジーンズ業界に本格的に参入を果たす。
しかし2001年、手形の詐取が原因となり、同年6月16日、東京地方裁判所へ民事再生法を申請し倒産した。
負債総額は2000年5月の時点で約11億3000万円。
翌年、兵庫県神戸市の特約店 NYLON (ナイロン) が後を引き継ぎ、ザ・リアルマッコイズ・インターナショナル (現リアルマッコイズ) として現在に至る。
引用:『ザ・リアルマッコイズ』2023年3月17日 (金) 12:54 (UTC)ウィキペディア日本語版
B-15C MOD Nylon Flight Jacket 1994s
- 製造年:1994年
- アウターシェル&インナーシェル: ナイロン
- インターライニング:ウールパイル
- ライニング:ナイロン
- ファスナー:コンマー 【V-F-106】コットンナイロンのテープにはカビ防止加工
- ニットパーツ:100%ウール 【MIL-C-3735】
- ファスナーボタン:【MIL-F-10884】
- サイズ:36
- 実測値(素人採寸の為、多少の誤差あり)
肩幅:46cm
身幅:59cm
着丈:58cm
袖丈:65cm
※不確かな情報は掲載しないように心がけておりますが、もし間違った情報に気づかれた方はコメント欄より教えていただけると幸いです。
【Detail】 詳細
【Accessories】 付属品
【Package】 化粧箱
【What is B-15C MOD】 B-15C MODとは
1947年、航空機は音の壁を超えた。その瞬間から、本格的なジェットの時代が訪れたのだ。次々と開発される航空機、塗り替えられる記録・・・・・・。数多のテストパイロットたちの命懸けのデータは、航空機に飛躍的な進歩をもたらしていった。
そして、航空機を操る飛行士たちの操縦術も、装備も、レシプロ(エンジンの形式の事)時代のそれに比べると、大きく様変わりしていった。ジェットで翔る新時代のパイロットに迎えられたナイロン製フライトジャケットは、彼らと果てしない大空によって育まれ、人類が生んだ史上最高の機能服としての地位と名声を手にしたのである。
航空機の発達とともにフライトジャケットも共に進化を遂げ、そんな中、誕生したのがB-15シリーズのフライトジャケットです。
皮革原料の代替として初めてコットンをフライトジャケットに使用したB-10から始まり、改良を加えたB-15へと発展。
その後、B-15A→B→C→Dと四段階の進化を遂げます。
ちなみにB-15Aまではコットンを使用し、Bシリーズから始めてナイロンが採用されることとなります。
そして本記事で紹介するCタイプは、エアフォースブルーと呼ばれる濃紺のナイロンが特徴。
先代のBまではフロントのジッパーがオフセット(右見頃に少し飛び出す形で付けられていた)だったのに対し、Cではセンターに来るよう配置が変更されました。
さらに、襟の素材をムートンからウールに切り替えたモデルをMOD(=Modified、モディファイド)と呼びます。
これはヘルメットの大型化に伴い、襟が干渉するのを防ぐために行われた改良です。
その後さらに改良が加えられ、傑作フライトジャケットと名高い『MA-1』が誕生します。
余談になりますが、B-15Cはたった二年という短い期間で役目を終えます。
しかし、その短命なジャケットを現在様々なブランドがこぞって復刻するにはわけがあります。
冒頭にも触れましたが、戦地の慰問の際にマリリン・モンローが着用したことにより、当時B-15Cは一躍脚光を浴び、フライトジャケットの中でも異質でセンセーショナルな存在となりました。
そんな彼女の影響もあり、B-15Cの知名度は一気に押し上げられ、今日の人気に繋がっているのです。
ちなみにB-15C自体は当時の兵士からは評判が悪かったとかどうとか。
【Main Parts Of Nylon Jacket】 ナイロンジャケットを構成する主要パーツ】
アウターシェルとインナーシェルに用いられているナイロンは、米国デュポン社が1939年、満を持して発表した化学繊維。
【石炭・ 水・空気から作られ、クモの巣のように細く、鋼鉄のように強い】と形容され、皮革以降のフライトジャケット素材の代表格として永きにわたり君臨しました。
使用されるナイロンの糸番手、縦横の組織は、すべてMIL規格によってそれぞれのジャケットごとに指定されていました。
陰の主役と言えるのが、コットンをベースに未着色のウールを織り込んでいく【ウールパイル】です。
羊毛の持つ保温性に、通気性と通温性が加味された最高のインナー素材としてナイロンとともに30年以上も採用されました。
その後軽量な化繊シンセティック・ファイバーに変更されていきますが、初期の重いフライトジャケットの中身はウールパイルであり、その着心地は独特の安心感を醸し出しています。
ライトゾーン・ナイロンフライトジャケットのライニングは、ナイロンまたはレーヨンにウールを二重織りしたナップバック (裏起毛したもの)素材です。
ナップバック側を裏使いすればインナーになり、表使いすればハンドウォーマポケットの袋地となります。
フロント、スリーブのジッパーは合衆国連邦規格である【V-F-106】に合致しているものを使用。
その内容は、インターロック機構を持ち、コットンとナイロンで織られたテープにカビ防止が施されているもの。
ムートン:【AN-3-35】規格によって鞣され、仕上た天然ムートン。
規定色に染め分けた後、オイルワックス・ポリッシュを施します。
ニットパーツ:【MIL-C-3735】 に従ったカラー(襟)、リスト (袖口)、ウエストバンド(裾)は100%ウール。
ファスナーボタン:【MIL-F-10884】 仕様に合致したもの。キャップはメインマテリアルと同色または黒仕上げ。
【Maintenance】 B-15C(ナイロンジャケット)のメンテナンス
ナイロンジャケットは、レザーよりクリーニングが容易です。
ただし、貴方が古着感覚のイメージでフライトジャケットを楽しみたいのであれば、クリーニングはおめすすめしません。
まず、AFマークはクリーニング液により薄れるか、完全に取り除かれるでしょう。
なぜなら、オリジナルの熱転写マークの特質をそのままに再現しているからです。
またニットやインナー、インターライニングは、着用による汗などで縮みがでてきます。
それがアウターシェルを引っ張ることにより、古着に見受けられる独特な風合いを醸し出すのですが、クリーニングはそれらを違った風合いにしてしまう恐れがあります。
表面の汚れなどは、薄めたベンジン液か中性洗剤で汚れた部分を拭ってやる程度のメンテナンスがベターです。
また、思い切って水洗いする方はウールが縮むことを覚悟してください。
インターライニングやポケット地、ニットなどは確実に変形します。
実際に飛行服としてイメージされる方は、ドライクリーニングを施されて、清潔に着られるのもよろしいでしょう。
その場合、パーク系ではなく石油系のドライクリーニングを指定すれば、AFマークのダメージが少なくてすみます。
ムートンの衿のアフターケアは、埃を柔らかいブラシで払い落としておくと長持ちします。
ムートンの寿命は、羊毛が脱落し始めた時です。
その場合は、そのものを総取り替えすることになりますが、ほとんどの場合ナイロン・フライトジャケットの襟を取り替えて着用した事実はありません。
むしろニット衿につけ替えて 【MOD】で楽しむのが本格的なリペアと言えるでしょう。
ナイロンに鉤裂きの破れや糸の摩耗によるパンクが起きた場合は、かがり縫いや手縫いのすくい縫いで対処するのがオリジナルです。
アメリカの航空術の英知が生んだナイロン・フライトジャケットをどうぞお楽しみください。
コメント