本日ご紹介するのは、旧リアルマッコイズ『スティーブ・マックイーン』コレクションの1994年製B-3です。
先日はモノトーンバージョンを紹介しましたが、今回はレザーを二色使ったデュオトーンバージョンをご紹介します。
これも、もちろんPerry Sportswear社の実名復刻です。
それではスペックを確認していきましょう。
【The REAL McCOY’S】 ザ・リアルマッコイズ
【The Real McCoy’s】=「正真正銘」「本当の本物」アメリカのボクシングチャンピオンKID.McCoyを同名の選手と区別するために生まれた俗語。
アメリカンミリタリーやワークウェアのアイテムを高度な再現技術で製造。
ヴィンテージアメリカンカジュアルウェアのディテールや素材にこだわり、当時のクオリティを再現することを目指している。
アメリカンミリタリーの歴史やデザインに敬意を払いつつ、本物の雰囲気を再現したフライトジャケット、デニム、ワークパンツなどのアイテムを展開。
ファッション愛好家やコレクターから支持を受け、高品質なアメリカンカジュアルウェアを提供している。
We felt some kind of frustration. That was the beginning. Market is flooded with so many products, and people seems to enjoy abundance. But haven’t we all be blinded by the showiness of those things? Just say “NO!” to them. Now is the time to seek a “Real thing.”
That’s why we have developed this new “Ultimate.” It’s born out of our relentless search for authenticity even without considering the cost. Material is truly authentic. We never compromised in detail. That is the policy we stick to in making any product.
Now why don’t you open the box? We can promise that the minute you open it, you’ll find a new life style. Yes, it’s our pride!
【History】 歴史
1987年、イラストレーターの岡本博が当時の仕事先である雑誌POPEYEの特集において、限定300着のA-2フライトジャケットを制作し販売、予約時点で完売という大反響を受けて翌1988年に会社ザ・リアルマッコイズ・ジャパン (旧リアルマッコイズ)を興す(1990年法人設立)。
設立当時には現フェローズ代表の志村昌洋もスタッフに名を連ねていた。
その後、フライトジャケットの復刻ブランドとして名を上げ、1997年にはジョーマッコイを誕生させ、ジーンズ業界に本格的に参入を果たす。
しかし2001年、手形の詐取が原因となり、同年6月16日、東京地方裁判所へ民事再生法を申請し倒産した。
負債総額は2000年5月の時点で約11億3000万円。 翌年、兵庫県神戸市の特約店 NYLON (ナイロン) が後を引き継ぎ、ザ・リアルマッコイズ・インターナショナル (現リアルマッコイズ) として現在に至る。
引用:『ザ・リアルマッコイズ』2023年3月17日 (金) 12:54 (UTC)ウィキペディア日本語版
B-3 STEVE McQUEEN Perry Sportswear Duo Tone 1994s
- 製造年:1994年製
- マテリアル
南アフリカ産メリノシープスキン
- レザーパーツ
北米産マスタングハイド
ブルハイドベンズサドルレザー
- 金属パーツ
ジッパー:コンマー復刻ジッパー
ドットボタン:R.A.U. 社製
バックル:鋼鉄製・ニッケルフィニッシュ。
- サイズ:36
- 実測値(素人採寸の為、多少の誤差あり)
肩幅:46cm
身幅:51cm
着丈:60cm
袖丈:63cm
不確かな情報は掲載しないように心がけておりますが、もし間違った情報に気づかれた方はコメント欄より教えていただけると幸いです。
- Materials
Merino Sheepskin from S.Africa
- Leather parts
Mustang Hide from. N. America
Bullhide Bends Saddle Leather
- Metal parts
Zipper:Reproduction CONMAR Slide Fastener
Dot Buttons:RAU INC. Snap Fastener
Buckle:Nickel-Plated Steel Buckle
【Detail】 ディテール
B-3といえばまずはこのフカフカのムートン。
このB-3の毛は黄みが強く、物によってはもっと白っぽいのも存在します。
襟はストラップを止めるとスタンドカラーになる仕様。
2本あるストラップは使わない時にはベルトループにしまっておけます。
ベルトの先は台形と丸型。ペリースポーツウェア社の特徴。
フラップなしのパッチポケットは、オペレーションマップやブリーフィングシートを入れておくためであり、ハンドウォーマーとして使えるものではありませんでした。(後に温かい内蔵式として左右両側に取り付けられる)
ポケットの内側にはリアルマッコイズのタグが縫い付けられています。
続いてB-3の側面。
両肩には階級章を取り付けるためのオフィサーランクタブ、左肩にのみエアフォースマーク。
エアフォースマークは前立にも小さくプリント。
両袖は強度アップのための当て革が施されています。
両脇の腰辺りには風の侵入を防ぐサイドベルト。
後ろ身頃は三分割。資源が乏しくなってきた後期型の証。
ジッパーはブラス製。インターロック機構有り。
首裏に縫い付けられたタグ。コントラクターは実名のPERRY SPORTSWEAR INC。
タグの内容↓
TYPE B-3
DWG. NO. 33H5595
A.C. ORDER NO. 4212689P
PERRY SPORTSWEARINC
NEWBURGH, N.Y.
PROPERTY
AIR FORCE U.S. ARMY
36R
TREATED WITH
REG. U.S. PAT. OFF.
MITHIN
CONT. NO. A.C. 28774
【Accessories】 付属品
- シリアルナンバー入り真正性証明書(CoA)
- ステンシルプレート
- オーナーズガイド
- アンケートハガキ
- 手紙
- デカール
【Package】 化粧箱
箱には取っ手が取り付けれらるように穴が開いていますが、取って自体は付いていません。
この年代の箱にはついてないパターンが多いです。
【STEVE McQUEEN】 スティーブ・マックイーン
スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)は、アメリカ合衆国の俳優で、20世紀の映画界で非常に人気があったアクションスターの一人。キング・オブ・クールの愛称で知られ、その佇まいやファッションセンスは俳優としてだけでなく、一人の男として多くの人を魅了し、亡き後も根強いファンが多く存在します。
生い立ち:
- スティーブ・マックイーン(本名:テレンス・スティーブン・マックイーン Terrence Stephen McQueen)は1930年3月24日にアメリカのインディアナ州ビーチ・グローブの聖フランシス病院で生まれました。
キャリア:
- スティーブ・マックイーンは1950年代から1980年代にかけてテレビ番組や映画で俳優としてのキャリアを築いていきました。彼は数々の西部劇やアクション映画に出演し、その魅力的な外見と演技力で注目を浴びました。
代表作:
- 『傷だらけの栄光』(Somebody Up There Likes Me、1956年) – スティーブ・マックイーンはこの映画で端役として出演し、ロッキー・グレイジャン役のポール・ニューマンの友人を演じました。これは彼の初期の映画出演の一つです。
- 『大脱走』(The Great Escape、1963年) – この戦争映画では、スティーブ・マックイーンがアメリカ軍の脱走兵ヒルツ役を演じ、捕虜収容所からの大胆な脱走計画を描いています。
- 『ブリット』(Bullitt、1968年) – スティーブ・マックイーンは、サンフランシスコ市警察刑事フランク・ブリュワー役を演じたこの映画で知名度を高めました。映画の中でのカーアクションが特に印象的です。
影響:
- スティーブ・マックイーンは、アクション映画のアイコンとして広く認識されており、多くの俳優に影響を与えました。彼のクールで無口なスタイル、車の運転シーン、そしてアクションシーンが特に記憶に残っています。
私生活:
- スティーブ・マックイーンは俳優として成功した一方で、私生活では波乱に富んだ経歴がありました。彼は数回の結婚と離婚を経験し、一時期はドラッグ中毒に苦しむこともありました。しかし、最終的にはキリスト教に改宗し、その後の生活で精神的な平和を見つけました。
スティーブ・マックイーンは1980年に癌で亡くなりましたが、彼の映画とキャリアは今でも多くのファンに愛されており、彼は映画史における重要なアイコンの一人として記憶されています。
【What is B-3】 B-3とは
B-3は第二次世界大戦中にアメリカ陸軍航空隊(USAAF)のパイロットが寒冷地での飛行に備えて着用するために開発された航空服です。
主にシープスキン(羊革)と羊毛のライニングで作られているのが特徴で、これらの素材は寒冷な環境で十分な保温性を提供し、パイロットが驚くような寒さから身を守るのに適しています。
基本はA-3トラウザースと共に着用し、1934年5月8日 U.S.ARMY AIR CORPSによって正式採用されました。
B-3は兵士達の意見やテストの結果、型紙の改正はもちろん、それぞれのパーツの毛足の長さまでモ二ターをとり、文字どおり進化していきました。
そして、1930年代の終わりにはボディの表面処理が大きく変更されることとなります。
それまでのB-3は革自体はスムースで、しなやかなムートンですが着色のみの表面では、水分やガソリン、オイルそして汚れなどの影響を受けやすいとの欠点がありました。
それを解決するために考案されたのが表面をまるごとコーティングしてしまう方法です。
まず、下地剤を塗布した表面にシールブラウン色のポリアクリルの革塗料をスプレー吹きし、最後にはラッカーを吹き付けて仕上げます。
これにより、革へのダメージを最小におさえるコーティングが完成しました。
この方法は自然な仕上げに比べて重量が増す代わりに、耐久性は数段優れていました。
また、左右の裾と衿の後ろに縫い付けられた分厚いベルトとバックルは、寒風をシャットアウトする際にグローブをはめたままでも調節できるように考案されています。
他にも、確実に取り外しができるドットボタンや、両腕の充て革、チャートやブリーフィングシートを入れるパッチポケット、パーツによって違う長さにカッティングされた毛足など、オリジナルスベックは当時の開発スタッフの英知の賜物でした。
オリジナルのB-3は大戦中 【空飛ぶ戦闘服】として大空を舞台に大活躍をしたのです。
B-3はA-2とともに、彼らのシンボリズムジャケットとして愛用されていましたが、1943年海軍との共同標準化を狙い採用されたAN-J-4ジャケットにバトンタッチすることになります。
ちなみに、B-3の中でも背中が二分割されているものは前期型、三分割されている物は後期型に当たります。
【Precare】 新品のB-3をこなれた感じに演出する方法
まず新品状態で、一度オイルを塗ります。 全体が柔らかくなるまで各部を揉みほぐします。袖に腕を通し、動かして何度も折りジワをつけます。
取り付けられたそれぞれのパーツのコバ (革の切断面の白い地色が見える部分)には、オイルや適当な色の靴墨などを塗ります。
これだけの作業ですが、何度か繰り返しますと新品のB-3が見違えるほどこなれた風合いになります。
ただし程々に。
How to make your B-3 jacket a little worn out stylishly before the coming winter
Rub oil into the whole leather part of your brand-new B-3 jacket once.
Then crumple the leather until it becomes soft.
Wear the jacket and move its sleeves many times to make a crease.
For the parts installed (where the white ground on the cross section of the leather can be seen), apply oil or shoe polish of a proper color to those parts.
That’s all.
Repeating the above procedure makes your brand-new B-3 jacket so worn out that anybody hardly recognizes it.
But don’t do that too much!
Remember that this is a rough-and-ready way.
Natural “worn-out” feeling is proportional to the time when you wear the jacket actually.
【Maintenance】 B-3のメンテナンス
通常使用では特に神経質になる必要はありませんが、時々はボディの埃や汚れを柔らかいブラシか布で軽く払ってください。
ウールの側は表側より頻繁にブラッシングしてください。
汚れが目立ちはじめたら、染み抜き用のベンジンを布にたらし、軽く叩くようにつけます。
汚れが浮いてきたら拭い取るときれいになります。
マッコイズのB-3は協力なコーティングを施してありますが、雨や水に濡れた場合は、タオル等で軽く叩くようにして、水分を取り除いてください。
ひどく濡れてしまった場合は、吸湿性の良いタオル等で全 体の水気を吸い取り、形を整えてから通気性の良い所で陰干しして下さい。
もし、カビが生えてしまった場合は早めに濡らした布を堅く絞って拭い取ってください。
革には革自体が本来持っている脂と、鞣しの時に加えられる油分があります。
革がいつもベストコンディションでいるためには適度な油分補給が必要です。
手の平に延ばしたオイルを薄く全体塗り延ばしてください。
ただしベルトの裏側に直接塗ると色が濃くなるので注意してください。
オイルを塗り終えたら、そのまま通気性の良いところで、一昼夜ほど置き、翌日余分なオイルを布で拭き取ってください。
水に濡れてしまった場合の油分補給は、完全に乾ききらないうちにやや多めにオイルを塗ってください。
パーツにはホースオイルそしてボディ本体にはシープオイルをお勧めします。
How does your B-3 jacket make good wearing? It is not too much to say that depends on maintenance.
Usually, you do not have to be too sensitive about your jacket.
Sometimes you are expected to wipe away dust with a soft cloth or brush.
Especially, brush the rear aide of the jacket more frequently.
If your jacket begins to show the dirt, dip a cloth into benzine for stain removal and hit the jacket with that cloth lightly.
If the stains have begun to be removed from the jacket, wipe them away.
The B-3 in coated strong.
If you have got the jacket wet in the rain or snow, however, wipe away water or rain drops by hitting the jacket lightly with a towel or something like that.
Then fix the jacket and dry it in the shade at a well-ventilated place.
If the jacket gets moldy, wipe away the mold with a damp cloth.
Any leather contains its own fat and the oil content coated in the tanning process.
To keep the leather condition best, it is necessary to apply an appropriate amount of oil to the leather.
Apply a thin coat of oil to the whole leather by hand.
Remember that direct coating on the rear side of the belt will darken the leather.
After oil coating, leave the Jacket at a well-ventilated place all day long and wipe the extra oil off on the following day.
For wet parts of the Jacket, apply a little larger amount of oil to those parts before the jacket dries up.
We recommend you to use horse oil for the jacket parts and sheep oil for the jacket itself.
【Cleaning】 クリーニング
AAFマークに確実にダメージをあたえるのであまりおすすめしませんが、もし出される場合は信用のおけるクリーニング店へご相談ください。
【Message】 McCOY’S製品のオーナーである貴方へ
この度はMcCOY’S製品をお求めいただきまして誠にありがとうございました。
今年も皆様の暖かいご支援を受け、McCOYSの自信作をお届けすることができました。
94年6月、昨年のワシントンDCスミソニアン協会に続いてオハイオのライトパターソン空軍基地に招かれました。
厳重な身元チェックを受けた後パスが発行され、滑走路の最奥部にあるハンガー4を訪ねました。
当時の格納庫をそのまま改修したストックエリアの入り口には、航空衣料の専門チームであるWPAFR&Dクロージングブランチのプレートが掲げられていました。
そこで我々を待ち受けていたのは、ライトパターソンで開発テストされたあまたの装備品・陸・空の戦場で活躍した後、ストックルームを安住の地とした衣類の数々、そして実戦には決して使用されることなく静かに眠り続ける試作品や余剰品など、古くは第一次大戦から湾岸戦争まで、何と3,500もの航空装備の一代絵巻と4000平米にもおよぶ膨大なストック資料でした。
それらを目の当たりにした我々は改めてアメリカという国家の欲望のスケール、 その力を垣間見る思いでしばし息を飲んでしまったほどです。
私たちが思いを馳せるミリタリークロージングは、言うまでもなく戦時という極限状態が産み落としたものです。
貴方のお手元にある一着の服は、実は服である前に道具であり、必要な装備のひとつなのです。
着用者の役務を最高最大に遂行するために生まれたギア。
それが衣服というカタチと具体的な機能を有しているのに過ぎず、
その事実こそが魅力の海のひとつだと思います。
ストックエリアを後にする頃にはこのように類い希なる衣服が誕生し、使用されてきた歴史に敬意を表さずにはいられませんでした。
そんな興奮も冷めやらぬままクロージングブランチの研究室を訪れた私たちは、McCOY’Sのプロジェクトに対して有意義なミーティングを持つことができました。
そこでお客様の熱意と私たちの情熱をありのまま伝えることにより、研究スタッフの今後の全面的な資料提供の承諾を得たのです。
こうしてMcCOY’Sはスミソニアン協会、ライトパターソンというミリタリークロージングの殿堂によるバックアップを全面的に受けられることになりました。
あまりにも膨大でしかもまだ未整理な資料を分類し、解読しながら一歩ずつ人類が生んだ傑作品を次世代に引き継いで いく作業は決して容易いことではありません。
だからこそやり甲斐があることなのです。
McCOY’Sをライフスタイルとして選んでくださったからには、是非同じ汽車に乗ってください。
なぜなら、McCOY’Sとは貴方の想念が生んだ貴方自身のブランドだからなのです。
McCOY’Sも貴方も、その既に捕らわれてしまった同志として人類が生み出した傑作衣料を継承する喜びを共有していくことができたなら、これほど幸せなことはありません。
今後ともMcCOY’Sを育んでくださることをお願い申し上げます。
ザ・リアルマッコイズ
※付属の手紙より抜粋
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