本日ご紹介するのは、旧リアルマッコイズ1992年製のA-2です。
このジャケットは1991年からスタートした『Wearing Art』の第二弾として発売された商品で、マッコイズ生みの親、岡本氏の代表作『Mighty Eighth』をバックペイント。
これは2021年にトイズマッコイ25周年モデルのA-2にもバックペイントされました。
その他にもメインマテリアルにホースハイドではなくカウハイド(牛革)を、ライニングにはレッドシルクを使用した、カスタム製の高いジャケットとなっております。
それでは詳細なスペックを見ていきましょう。
The REAL McCOY’S 【ザ・リアルマッコイズ】
【The Real McCoy’s】=「正真正銘」「本当の本物」アメリカのボクシングチャンピオンKID.McCoyを同名の選手と区別するために生まれた俗語。
アメリカンミリタリーやワークウェアのアイテムを高度な再現技術で製造。
ヴィンテージアメリカンカジュアルウェアのディテールや素材にこだわり、当時のクオリティを再現することを目指している。
アメリカンミリタリーの歴史やデザインに敬意を払いつつ、本物の雰囲気を再現したフライトジャケット、デニム、ワークパンツなどのアイテムを展開。
ファッション愛好家やコレクターから支持を受け、高品質なアメリカンカジュアルウェアを提供している。
History【歴史】
1987年、イラストレーターの岡本博が当時の仕事先である雑誌POPEYEの特集において、限定300着のA-2フライトジャケットを制作し販売、予約時点で完売という大反響を受けて翌1988年に会社ザ・リアルマッコイズ・ジャパン (旧リアルマッコイズ)を興す(1990年法人設立)。
設立当時には現フェローズ代表の志村昌洋もスタッフに名を連ねていた。
その後、フライトジャケットの復刻ブランドとして名を上げ、1997年にはジョーマッコイを誕生させ、ジーンズ業界に本格的に参入を果たす。
しかし2001年、手形の詐取が原因となり、同年6月16日、東京地方裁判所へ民事再生法を申請し倒産した。
負債総額は2000年5月の時点で約11億3000万円。
翌年、兵庫県神戸市の特約店 NYLON (ナイロン) が後を引き継ぎ、ザ・リアルマッコイズ・インターナショナル (現リアルマッコイズ) として現在に至る。
引用:『ザ・リアルマッコイズ』2023年3月17日 (金) 12:54 (UTC)ウィキペディア日本語版
1992s A-2 Mighty Eighth Flight Jacket
- 製造年:1992年製
- 素材:カウハイド(牛革)
- タンニング&フィニッシュ:植物タンニン+クローム鞣し、顔料染めの後、スプレー着色、仕上げに撥水コーティング
- ライニング: シルク100%
- ニットパーツ:カフス&ウエストバンド ウール100%
- サブバーツ
ドットボタン:真鍮製GOVERNMENT BALACKフィニッシュ
ネックフック:真鍮製クロームフィニシュ
ツインアイレット:真鍮製
ジッパー:テープ/コットン100% 3/4インチ スライダー/MIL規格真鍮製(引手はクローム仕上げ)
- サイズ:36
実測値(素人採寸の為、多少の誤差あり)
肩幅:43cm
身幅:50cm
着丈:56cm
袖丈:62cm
※不確かな情報は掲載しないように心がけておりますが、もし間違った情報に気づかれた方はコメント欄より教えていただけると幸いです。
バックペイントとギャランティーカードのナンバリングに相違があります。
整頓の際にカードを間違えて入れてしまったか、元々そうだったかは不明です。
現在必死に捜索中です(汗)
Detail【ディテール】
Accessories【付属品】
Package【化粧箱】
Mighty Eighth 【第8空軍】
1944年、アメリカ第8空軍はドイツ戦略爆撃の際に大きな損害を被りましたが、アメリカもまたドイツの抗戦能力に大きな打撃を与えることに成功し、その敢闘を称えMigthy Eighthと呼ばれるようになりました。
第8空軍は最盛期に2000機以上の爆撃機と1000機以上の戦闘機を保有していたと言われています。
尚、左肩のエアフォースマークは第8空軍で使用されていたエンブレムです。
Red Silk
A-2のライニング(裏地)は、通常カーキなどアースカラーのコットンブロードクロスが使用されます。
しかし、物資の供給が不安定な戦時下において、大変贅沢とも言えるこの仕様は、当時のエースパイロットだけに許された言わば勲章のような物でした。
エースパイロットの定義は敵機を5機以上撃ち落とした者とされ、さらに第8空軍第56戦闘軍(通称ウルフパック)に属するエースパイロットにのみ、裏地を赤く染めたシルク生地に張り替えられることが許されていたとされています。
ちらりと覗く真紅のその布は羨望の眼差しを集めたに違いありません。
Making of A-2
Check & Cutting【検品と裁断】
McCOY’SがA-2を製作するにあたって選んだ方法は、通常の量産ラインを避け、熟達した革職人チームを編成することでした。
ほとんどの工程がハンドメイドになり、それにつれコストもアップしますが、すべてにおいて最高なA-2を完成させるためには必要不可欠なことでした。
鞣された牛革は自然光に最も近いライティングの下で厳密なチェックを受けます。
まず革のダメージをチェック。そこでマッコイズのスペックに合わないものは惜しげもなく切り捨てられます。
次に革の色合わせがなされ、いよいよカッティングです。
細分化されたA-2のそれぞれのパーツの型紙を置き、クラフトマンがハンドカットしていきます。
その際は革の方向や伸び、着用時のテンションなどを計算したMcCOY’Sスペックによる厳しいカット作業が行われます。
一つ一つ位置決めをしながら贅沢な革取りをしていきますので、一着分につき量産品のおよそ2倍以上の革材使われています。
素材はこのようにして23枚のパーツに切り分けられ、いよいよ縫製セクションに回されます。
Sewing【縫製】
McCOY’S A-2を縫製するミシン群やボタンの打ち機は、大部分が当時の軍規格のものです。
縫製に当たっては当時のレベルを踏襲するために、コンピューターミシンなどの使用を敢えて避け、すべてがアナログミシンにて行われることが当時の風合いや味を再現し得ると信じるからです。
切り分けられたパーツはミシンの前でマシニストによってチェックされ、それぞれに補強の裏うちなどを施し、いよいよ縫製作業に入ります。
ここではそれぞれのスタイルのA-2のスペックに従い、数十にも及ぶ工程を経て、縫い上げられていきます。
そのスペックはMIL規格をさらに厳格にしたもので、細部のステッチやシームの目数まで及びます。縦のシームは1インチ10ステッチ以上、ポケットフラップを見頃に縫い付ける際のシームラインは7ミリ、襟の外襟は4ミリなどマッコイズスペックは細部にまで及びます。
A-2はシンプルがゆえに細部が肝心なので、こうした生産方法は通常のライン生産に比べると倍近い時間が必要とされます。
当時と同様に一人一人のマシニストが一着一着を責任生産して、A-2は現代に蘇っていくのです。
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