本日ご紹介するのは、旧リアルマッコイズの1989年製A-2です。
このジャケットには非売品のスカルスコードロンパッチが購入者特典として付属し、それについての丁寧な解説書も同梱されていました。
それではスペックの詳細を見ていきましょう。
The REAL McCOY’S【ザ・リアルマッコイズ】
【The Real McCoy’s】=「正真正銘」「本当の本物」アメリカのボクシングチャンピオンKID.McCoyを同名の選手と区別するために生まれた俗語。
アメリカンミリタリーやワークウェアのアイテムを高度な再現技術で製造。ヴィンテージアメリカンカジュアルウェアのディテールや素材にこだわり、当時のクオリティを再現することを目指している。アメリカンミリタリーの歴史やデザインに敬意を払いつつ、本物の雰囲気を再現したフライトジャケット、デニム、ワークパンツなどのアイテムを展開。ファッション愛好家やコレクターから支持を受け、高品質なアメリカンカジュアルウェアを提供している。
History【歴史】
1987年、イラストレーターの岡本博が当時の仕事先である雑誌POPEYEの特集において、限定300着のA-2フライトジャケットを制作し販売、予約時点で完売という大反響を受けて翌1988年に会社ザ・リアルマッコイズ・ジャパン (旧リアルマッコイズ)を興す(1990年法人設立)[1]。設立当時には現フェローズ代表の志村昌洋もスタッフに名を連ねていた。
その後、フライトジャケットの復刻ブランドとして名を上げ、1997年にはジョーマッコイを誕生させ、ジーンズ業界に本格的に参入を果たす。 しかし2001年、手形の詐取が原因となり、同年6月16日、東京地方裁判所へ民事再生法を申請し倒産した。負債総額は2000年5月の時点で約11億3000万円。 翌年、兵庫県神戸市の特約店 NYLON (ナイロン) が後を引き継ぎ、ザ・リアルマッコイズ・インターナショナル (現リアルマッコイズ) として現在に至る。
引用:『ザ・リアルマッコイズ』2023年3月17日 (金) 12:54 (UTC)ウィキペディア日本語版
1989s A-2 Skull Squadron Patch
- 製造年:1989年製(デリバリーは1990年1月)
- 素材:北米産トップグレードホースハイド (馬革)
- タンニング&フィニッシュ:クロームと植物渋の混合鞣しアニリン系下地染料ドラム染色、エマルジョンラッカーあるいは、アニリントップフィニッシュ
- ライニング: コットン100%ブロードクロス
- ニットパーツ:100%メリノ種ウール 1930年、米国防省MIL規格に準じる針寸、釜径、針数。
- サブパーツ
ドットボタン:RAU Fastenrs Inc 【GOVERNMENT BALACK】
ネックフック:真鍮製クロームフィニシュ
ツインアイレット:真鍮製
ジッパー:テープ/コットン100% 3/4インチ スライダー/MIL規格真鍮製(引手はクローム仕上げ) - サイズ:36
- 実測値(素人採寸の為、多少の誤差あり)
肩幅:42cm
身幅:51cm
着丈:55cm
袖丈:60cm
※不確かな情報は掲載しないように心がけておりますが、もし間違った情報に気づかれた方はコメント欄より教えていただけると幸いです
Detail【ディテール】
Accessories【付属品】
Package【化粧箱】
Squadron Patch【スコードロンパッチ】
スコードロンパッチは、軍隊や空軍のユニット(部隊)を識別するために制服やジャケットに付けられるエンブレムやパッチのことを指す。これらのパッチは特定の部隊や航空機のグループを表し、その部隊のアイデンティティや歴史を象徴する重要な要素となる。
- 部隊の名称: スコードロン(飛行中隊)の名前や番号を表示。これによって、どの部隊に所属しているかが明示される。
- エンブレムやロゴ: 部隊のシンボルやエンブレムが描かれていることがある。これは部隊のアイデンティティや歴史を表現する重要な要素となる。
- カラースキーム: パッチのデザインや色彩は、部隊ごとに異なる場合がある。特定の色や模様は、部隊の任務や役割を反映することがある。
- 番号や文字: 部隊の番号や特定の文字がパッチに含まれることもある。これは識別や情報伝達のために使用される。
これらのスコードロンパッチは、部隊の一体感を醸成し、メンバー同士の結束を強化するために使用されることが多い。また、歴史的な意味を持つこともあり、その部隊の功績や伝統を称える役割を果たすこともある。
ただし、異なる国や軍隊でスコードロンパッチのデザインや使用方法は異なる場合がある。具体的な詳細や制度については、特定の軍隊や部隊の規則に従う必要がある。
Skull Squadron Patch【スカルスコードロンパッチ】
この度は、マッコイズ・マをお買い上げいただきありがとうございました。
ここにご予約の特典としてマッコイズオリジナル牛革製スコードロパッチをお送りいたします。
この記念品は非売品はもちろんの事、今後二度と再生産されることのない、貴重なパッチであることを皆様にお約束いたします。これは大戦時の実物A-2の胸に輝いていパッチに多用されていたモチーフのドクロとトランプをベースに製作したもので、いかにもファイタースコードロンといったデザインになっています。 色合いも、シールブラウンにマッチするように、細心の注意をはらった色調のものとし、製法は実物通りのシルクスクリーンを採用。リアルな版ずれ等、完璧な雰囲気を持つ仕上がりを見せています。
取り付け方としては、通常左胸ポケットフラップの1cm~3cm位、上となり、着用した状態で両面テープ等を使い仮止めします。取り付けはお近くのリフォーム店等に、ご依頼になるのが、最良かと思いますがその際、糸の色もA-2と同様の茶系をお薦めいたします。このパッチは生革部が日焼けにより色変化がおこり実物のようにリアルな茶色になってきます。
基本的な取り付け方は以上の通りですが、大戦当時でも、時には右胸に付けるケース もあったようなので、最適なのはご自分のオリジナリティーを出し、フィーリングに合った位置に取り付けるのがベストと言えるでしょう。このA-2とバッチに歴史を与えるのは貴方自身なのですから。
A-2JACKET共々、末永く大切にご使用いただければ幸に存じます。
※手元の資料より抜粋
Making of McCOY’s A-2
Horse Hide【馬革】の魅力
衣料用の皮革としてもっともポピュラーな物は牛革です。 大判で厚みのある素材としてあらゆる製品に適しています。
しかし、その強度で牛を凌駕するのが馬なのです。馬の繊維は緊密で強靭です。 同一の鞣し(なめし)をした同じ厚さの牛皮と比べるとはるかな強度を持つと言われます。そして臀部(でんぶ)には超高級素材のコードバンを有しています。
また牛革は使い込むと全体的にやわらかく、表面も粗くなっていきますが、馬革は年月経過により、表面に独特の艶を帯び輝いてきます。
さて、皮は鞣されてはじめて革になるわけですが、この時点での基本作業がその皮革の善し悪しやグレードをすべて決定してしまいます。その後の着色や仕上げはあくまで二次的な要素で、基本鞣しが革の生命といえます。
馬の特徴はその強靭な繊維と、しなやかなでスムースな銀面(表面)にあります。それらの長所を生かしながら基本鞣しを成功させるには、高い技術力が必要とされます。馬は活発で毛足が短いことから原皮には傷も多く、メーカーにとってはハイリスクな素材です。 牛皮ほど表面層の厚くない馬の原皮はある意味でごまかしがきかない素材なのです。
しかし、その分牛革に比べロングライフの馬革は、1930年代から50年代にかけて、アメリカではホースハイドのジャケットが多く存在しました。レザージャケットに実用性を重んじる時代、タフな素材の馬革をA-2のメインマテリアルとして軍が使用を決定したのは当然の結果と言えるでしょう。
McCOY’S A-2 ジャケットに用いられたホースハイドは北米産の馬を原皮としています。これらは僅か7%までに厳選された原皮を、特殊なレシピ(クロームとタンニンの混合)を持つ基本鞣しを施しています。一切の見栄えのためのパンプアップ加工や(鞣し作業の一過程で石灰質を投入し革の厚みを揃える)、銀擦り加工(表面を削って傷を見えなくする加工)、プリント加工(革の表面を模した型押し)は行っておりません。つまり徹底的に100%マテリアルの素質を生かした贅沢な手法によっています。トップ仕上げのエマルジョンラッカーやアニリン塗料は真正の銀面の上にスプレーされているものです。
よって、革のしわや小さな傷は、まっとうでタフな馬革である誇るべき話しといえます。このようにしてできあがるホースハイドは100着分を揃えるのに7ヵ月間を要します。
Cutting【裁断】
McCOY’SがA-2を製作するにあたって選んだ方法は、通常の量産ラインを避け、熟達した革職人チームを編成することでした。ほとんどの工程がハンドメイドになり、それにつれコストもアップしますが、すべてにおいて最高なA-2を完成させるためには必要不可欠なことでした。
まず馬革は工場にて、2ヵ月から3ヵ月梱包時のロール癖を直し塗料絞めをするために、適温適湿のストックルームで寝かされます。
その後いよいよ生産スタッフによりカッティング作業に入ります。 型抜きは太陽光にあふれたカッティングルームにてダメージをチェックします。 そこでは不適格な部分は惜しげもなく切り捨てられます。この贅沢な基本作業がその後の製品のロングライフを決定します。
次に革の色合わせがなされ、いよいよカッティングです。細分化されたA-2のそれぞれのパーツの型紙を置き、クラフトマンがハンドカットしていきます。その際は革の方向や伸び、着用時のテンションなどを計算したMcCOY’Sスペックによる厳しいカット作業が行われます。
ホースハイドはこのようにしてパーツに切り分けられ、いよいよ縫製セクションに回されます。
Sewing【縫製】
McCOY’S A-2を縫製するミシン群やボタンの打ち機は、大部分が当時の軍規格のものです。縫製に当たっては当時のレベルを踏襲するために、コンピューターミシンなどの使用を敢えて避け、すべてがアナログミシンにて行われることが当時の風合いや味を再現し得ると信じるからです。
切り分けられたパーツは、ミシンの前でマシニストによってチェックされ、いよいよ縫製作業に入ります。ここではそれぞれのスタイルのA-2のスペックに従い、数十にも及ぶ工程を経て、縫い上げられていきます。そのスペックはMIL規格をさらに厳格にしたもので、細部のステッチやシームの目数まで及びます。こうした生産方法は通常のライン生産に比べると倍近い時間が必要とされます。
当時と同様に一人一人のマシニストが一着一着を責任生産して、A-2は現代に蘇っていくのです。
A-2を真冬に着たい方へのアドバイス
A-2は着れば着るほど、あなたの体になじみます。ぜひとも真冬もあなたのA-2とつき合っ てください。もともと夏季用のフライトジャケットとして開発されたA-2は防寒用のライ ナーをもちません。 しかしA-2の下には薄手のシャツを着てください。寒い場合はあえて、 A-2の上にハーフコートなどを着込んでしまいましょう。これは決しておかしくありません。真冬のニューヨークでもシャレ者たちは、革ジャンの上にフードつきの、マウントパーカーやダッフルコートなどをバンバン着て寒空の下を歩いています。もちろんザ・ リアルマッコイズのスタッフはこうして真冬をのりきるつもりです。いずれマッコイズが真冬用のジャケットを造るまで。
それではGOODLUCK!
※付属の手紙より抜粋
1989s Key Event 【1989年(昭和63年、平成元年)の出来事】
Japan【日本】
- 天皇昭和の崩御と平成の即位: 昭和天皇が崩御し、皇太子の明仁親王が新しい天皇として即位し、平成天皇となる。これにより、昭和から平成への改元が行われる。
- 消費税スタート:4月1日より日本で初めて消費税が導入される。当時は3%。
- 美空ひばり死去:戦後の歌謡界で『女王』と呼ばれた美空ひばりさんが52歳という若さでこの世を去る。
USA & Germany【アメリカとドイツ】
- ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の就任(1月20日): ジョージ・H・W・ブッシュが第41代アメリカ合衆国大統領として就任。
- ベルリンの壁崩壊(11月9日): 東ドイツと西ドイツを隔てていたベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツの統一の流れが加速。この出来事は冷戦の象徴的な事件のひとつ。
- エクソンバルディーズ号原油流出事故(3月24日): アラスカ州の沖合で石油タンカー、エクソンバルディーズ号が座礁し、大規模な原油流出事故が発生。
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