本日紹ご介するのは、旧リアルマッコイズ1992年製のG-1(80着限定)です。
G-1といえば映画『トップガン』でトム・クルーズ演じる主人公マーヴェリックを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
メインマテリアルにはゴートスキン(山羊革)を使用し、ムートンボアの襟裏には『U.S.N』の文字がプリントされ、脇下のマチや後ろ身頃のアクションプリーツなど、A-1に比べるとギミックが多いのも特徴です。
それでは詳しいスペックを見ていきましょう。
【The REAL McCOY’S】ザ・リアルマッコイズ
【The Real McCoy’s】=「正真正銘」「本当の本物」アメリカのボクシングチャンピオンKID.McCoyを同名の選手と区別するために生まれた俗語。
アメリカンミリタリーやワークウェアのアイテムを高度な再現技術で製造。
ヴィンテージアメリカンカジュアルウェアのディテールや素材にこだわり、当時のクオリティを再現することを目指している。
アメリカンミリタリーの歴史やデザインに敬意を払いつつ、本物の雰囲気を再現したフライトジャケット、デニム、ワークパンツなどのアイテムを展開。
ファッション愛好家やコレクターから支持を受け、高品質なアメリカンカジュアルウェアを提供している。
【History】歴史
1987年、イラストレーターの岡本博が当時の仕事先である雑誌POPEYEの特集において、限定300着のA-2フライトジャケットを制作し販売、予約時点で完売という大反響を受けて翌1988年に会社ザ・リアルマッコイズ・ジャパン (旧リアルマッコイズ)を興す(1990年法人設立)[1]。
設立当時には現フェローズ代表の志村昌洋もスタッフに名を連ねていた。
その後、フライトジャケットの復刻ブランドとして名を上げ、1997年にはジョーマッコイを誕生させ、ジーンズ業界に本格的に参入を果たす。
しかし2001年、手形の詐取が原因となり、同年6月16日、東京地方裁判所へ民事再生法を申請し倒産した。
負債総額は2000年5月の時点で約11億3000万円。
翌年、兵庫県神戸市の特約店 NYLON (ナイロン) が後を引き継ぎ、ザ・リアルマッコイズ・インターナショナル (現リアルマッコイズ) として現在に至る。
引用:『ザ・リアルマッコイズ』2023年3月17日 (金) 12:54 (UTC)ウィキペディア日本語版
G-1 1992s
McCOY’S Original Specs, for G-1 【M-422A/J-7823]
- マテリアル
山羊革(クローム&植物タンニン糅し) 2層アニリン顔料に撥水コーティング
- ライニング
ナイロンオックスフォード100%
- パッチポケット裏地
100%コットン ヴィエラ地
- マップポケット裏地
100%コットンウエポン帆布地
- ニットパーツ
カフス&ウエストバンドウール100%
- ボタン
軍用尿素製練りボタン
- ドットボタン
R.A.U. ファスナー
- ジッパー
オールコットン製3/4インチテープ/スライダーMIL規格真鍮製
- サイズ:36
実測値(素人採寸の為、多少の誤差あり)
肩幅:43cm
身幅:51cm
着丈:61cm
袖丈:62cm
※不確かな情報は掲載しないように心がけておりますが、もし間違った情報に気づかれた方はコメント欄より教えていただけると幸いです。
【Details】ディテール
メリノラムを使用した襟。
染色によりビーバーやヌートリアのような茶褐色になることから、ビーバーラムとも呼ばれます。
手触りは少しハリがありますが、指が軽く埋もれるぐらいの毛足の長さ。
ふんわりとしていてとても温かい。
襟裏にはU.S.N.のステンシル
フロントのフラップポケット。
左側のみペンポケットも装備。
右のフラップポケットにはタグ。
リブは2段仕様。裾のみ上段、下段で編み方が異なるコンビリブを採用。
脇下には立体的な切り替え、背中にはアクションプリーツ。
裏地にはメインマテリアルと同色のサテン地を使用。
スルッと着脱がしやすい生地です。
REAL McCOY MFG.CO.名義のタグ。
INTERMEDIATEは-10℃〜10℃の気温域。
フロントのストームフラップは丸型。
インサイドのマップポケットの袋布には頑丈な帆布を使用。
ジッパーは鈍い光を放つ真鍮製。
【Accessories】付属品
- 真正性証明書(CoA) 08/80
- オーナーズガイド
- アンケートはがき
- 手紙
- デカール
- 予備のボタン
【Package】パッケージ
【What is G-1】G-1とは
G-1は、アメリカ海軍航空隊で使用されてきたフライトジャケットの中でも特に人気のあるアイテムです。
その魅力は、耐久性の高い山羊革やメリノラムの襟といった実用的なデザインと、タイムレスなスタイルにあります。
前面のジッパーやストームフラップ、袖口と裾のリブなど、風を防ぐための工夫も随所に見られます。
このジャケットの歴史は1930年代M-422から始まり、何度か進化を遂げ、1950年代にはG-1の名を冠するモデルが誕生します。
1976年には一時供給停止となりながらも、現場の熱い要望からカムバックを果たし、現在でも支給されています。
1980年代には映画『トップガン』でトム・クルーズが着用したことで世界的な注目を集めました。
Difference Between M-422A and G-1【M-422AとG-1の違い】
これに関してざっくり言ってしまえば、大きな変更点はありません。
見た目はほぼほぼ同じです。
ただし、細かい点に関しては変更がいくつかありますので、一つずつ見ていきましょう。
まずぱっと目につくのはライニング。
M-422Aには鮮やかなミルキーレッドのサテン地が使用されていますが、G-1にはメインマテリアルに近いブラウン系の生地が使用されています。
ただしこれに関しては、M422-Aは赤のライニングが多く存在したというだけで、コントラクターによってはM-422Aの時点でブラウン系のライニングも存在したようです。
続いては襟裏のステンシル。
M-422Aは右側に寄せる形でシルバーカラーのステンシルが吹いてあるのに対し、G-1は襟中央にイエローのステンシルに変更されています。
フォントにも違いがありますね。
襟の形は剣先のようにピンと尖った形から、長方形のようなナローな形に変更されています。
カラーも黄土色からボディに近い濃いブラウンへと変更。
毛足もG-1の方が長いようです。
逆にチンストラップは長方形から、剣先タイプに変更。
あとはパッと見でM-422AかG-1かを判断できる左見頃のポケット。
M-422Aはポケットを分割するようにミシンで叩くだけの簡素なペン差しに対し、G-1は箱ポケットのように独立した形であしらわれ、少し手の込んだ作りになっています。
袖や着丈などサイズに関しては誤差と言える程度の違いで、そこに変更点は無かったように感じます。
上記はすべて旧リアルマッコイズのジャケットを比べた場合によるものですが、忠実な再現を信条とするマッコイズですから、オリジナルのそれにほぼ近いと思ってもらって差し支えはないかと思います。
Making of G-1
Goat Skin【山羊革】
NAVY LEATHER JACKETに採用された革素材で最もポピュラーなゴートスキンは強靭な銀面(表面層) をもっています。
他のレザーより温かみのあるごつごつした肌合いの革質は、タフなミリタリーユースには最適でした。
McCOY’S G-1のGoat Skinは完全に1930年代の手法で仕上げられています。
クロームとタンニンの混合鞣しで鞣された山羊皮は、当時と同じようにアニリン染料で仕上げられます。
茶褐色のアニリン下地をドラム染色したのち、G-1の規定色の上色を施します。
これにより、この2層着色とタンニン(植物シブ)の影響により年月経過によるグラデーションが味わえるようにつくられています。
現在の主流である軽く柔らかい革仕上げとはまったく逆行する処理ですが、この重く締まった革はアメリカンクラッシックの風合いを楽しめます。
【Parts】パーツ
G-1を構成するパーツ群の数々はすべてが、 McCOY’Sの仕様に従って生産された特注品です。
ポケットと襟裏のボタンは尿素で作られた練りボタンで、熱や外圧に強いMIL規格です。
1932年の米国国防省の製図面を基に、ボタン工場にて新たに型を成型し、軍規定の茶色で生産しました。
インサイドポケットのドットボタンはR.A.U.社のボタンでキャップは特注色NAVY SHADE BROWNです。
襟のムートンボアは、メリノラムをBEAVER LAMB FINISHという手法で仕上げたものです。
このBEAVER LAMBとは1920年代に開発された手法で、羊革を高級毛皮に似せてつくるもので、酸とオイルによりカールを延ばされた羊毛を均一にカットし、毛先をポリッシュしてソフトに仕上げるものです。
使用後は毛足が丸まってG-1 独特の衿に変化して行きます。
ニットパーツは規定色のオイリッシュウールをNAVY SPECによって編み上げたものです。
裾はコンビリブと呼ばれる中途で編み目が変化するG-1独特のニットです。
袖口は米軍仕様に特注された4 1/4の径と150本の編み針をもつ袖口専用機で編まれています。
【Cutting & Sewing】 裁断と縫製
太陽光の下で傷やダメージをチェックされた革は、熟達した職人の手で各々のパーツにカッティングされます。
一着分にカットされたパーツはミシン場に回され、縫製作業に入ります。
縫製にあたっては通常のライン生産に比べ、倍近い時間が必要とされますが、当時と同様、一人一人のミシン職人が一着一着を責任生産、最後に検品を受出荷されます。
Maintenance【メンテナンス】
シーズン中のメンテナンス
普段のメンテナンスはさほど神経質に なることはありません。
しかし革は繊維製品のような洗濯ができません。
時々は汚れや柔らかいブラシで払ってやりましょう。
特に襟はブラッシングが効果的です。
裏地が汗などで汚れた場合はシミ抜き用ベンジンをお使いください。
皮革製品にとって大敵なのは油切れと水分です。
油分切れは革の硬化を招き表面にひび割れが生じます。
それを防ぐには良質のオイルやクリーム(ホースオイルがおすすめ)を少量、手の平につけ革全体に塗り延ばします。
適度な油分をベストコンディションに保ち、寿命を長引かせます。
ワイルドな風合いを楽しみたい方はあえてオイル補給をしないのも良いでしょう。
履き続けている靴の方が、履かずにしまい込んだ靴より長持ちするのと同じ理由で、着ているだけでジャケットには人体から分泌する油分が回ります。
とにかくワイルドな革表情をつけたいのであれば 、それは常に着ていることがベストな方法です。
水分/湿気はカビを誘発させ、カピを放置させるシミなどのダメージが残ります。
カビを発見したときは、堅くしぼった布で拭きとってください。
雨にひどく濡れた場合などは、そのまま放置せずに吸湿性の良いタオルで水気を吸い取り、形を整えてから通気性のよい所で陰干しをしてください。
水分が乾く時には油分をも持ち去ってしまいますので、完全に乾ききる前に通常より多めにオイルを与えてください。
シーズンオフのケア
シーズンオフは型崩れを防止するために太めのハンガーに吊るし、埃などのガードのために、タオル等で覆い風通しの良いところで保管します。
また箱に入れ高いところに置くのも方法です。
防虫・防湿剤などを用いるとより効果的ですが、いずれにせよ時々は取り出してカビやニットの虫食いをチェックしてください。
クリーニングについて
クリーニングの場合は信頼できる専門店をお選びください。
ただしクリーニングに関しては、経年変化による革の風合いを違ったものに変化させてしまう恐れがあります。
また付属のパッチやペイントなどへの影響も少なくはありません。
それらをご承知の上、ご依頼してください。
1992s Key Events【1992年の出来事】
- ヨーロッパでは、ユーゴスラビア紛争が激化し、ボスニア・ヘルツェゴビナでエスニック・クレンジングが行われました。
- アメリカの宇宙ステーション「スペースシャトル・エンデバー」が初めて打ち上げられました。
- バルセロナオリンピックが開催され、マイケル・ジョーダンなどが輝く活躍をしました。
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